学術データベース

学術データベース

『S・カルマ氏の犯罪』論

副題 ――作家誕生の物語――
著者名 田中 裕之 (TANAKA Hiroyuki)
出版社/掲載誌名 近代文学試論(広島大学近代文学研究会)
巻号 第28号
30ー43
出版日 1990/12
概要 『S・カルマ氏の犯罪』は、安部文学の中で重要な位置を占める初期の代表作とされるが、その主題については定説がなく、作品最終場面についても、そこに何らかの肯定的意味を読み取ろうとする論と、自己喪失という否定的意味を読み取る論とが併存していた。本稿では、最終場面において主人公が変身する《壁》とは言葉そのものであり、本作品が、安部の作家としての姿勢を表明した作家誕生の物語であることを論証した。