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 Japanische Märchen(ドイツ語版日本昔噺)を見るにあたって。
 これに関しては20冊揃ったものを見たことがない。本学図書館には「ちりめん本」のNo.2「舌切雀」、No.3「猿蟹合戦」、No.4「花咲爺」、そしてNo.10「松山鏡」の4冊と平紙のNo.1「桃太郎」があるのみで、訳者もかなりばらばらである。古いものは、奥付にグロチトとあるもので、A.グロートという当時の東京帝国大学の独文の教授であり、1895年以降は同じく帝大教授のK.フローレンツになる。本学所蔵のNo.4「花咲爺」(ローマ字題)とNo.10「松山鏡」、平紙本No.1「桃太郎」の奥付にはヘドウイック・シプロックとあるがこれがどういう人なのかは今のところ分かっていない。
 また本学には所蔵していないが、No.16「鉢かづき」をフローレンツが訳したものがある。奇妙なことにドイツ語版ではNo.16「文福茶釜」は見たことがない。また「続 日本昔噺」もNo.21「三つの顔」のフローレンツ訳だけがある。いずれにしてもドイツ語版はかなり不規則な出版だったようで、手にしたものが少なく、これを機に新しい情報が寄せられることを願っている。
 K.フローレンツは、後に見る「単発挿絵本」で「東の国からの詩の挨拶」「孝女白菊の詩」など実に見事な仕事をして、弘文社の「ちりめん本」の価値を高からしめた人なので、ぜひその画面を見て頂きたい。

No. 1 Momotaro; oder, Pfirsichling
No. 2 Der sperling mit der geschlitzten Zunge
No. 3 Der Kampf der Krabbe mit dem Affen
No. 4 Hanasaki Jiji
No.10 Der Spiegel zu Matsuyama
No.16 Der holzerne Napf(本学未所蔵)
No.21 Die drei Spiegelbilder(本学未所蔵)
 
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