絵は永濯であるが、一目でそれと分かるアイヌのアツシの縁模様がくっきりした紺色で描かれていて美しい。アイヌが狩猟に使う弓矢や矢筒が描かれているのはチェンバレンの採集のしたスケッチからでもとったものだろうか。
話は昔話の分類で言えば「異郷譚」とでも言えよう。
雪の日熊狩に出た狩人は道に迷い、山奥の洞窟に辿りつく。向こう側はまぶしい妖精の国。狩人は野苺を摘んで口にする。途端に蛇に変身している自分に気づく。疲れ果て眠りに落ちた狩人の前に松の木の妖精が現れ、「そんな姿になったのはこの国のものを食べたからだ。人間に戻りたかったら、この松のてっぺんに登り、身を宙に投げ出すがよい」と言う。男は死ぬ気で言われたようにすると、気を失い松の根方に倒れていた。夢中で走って家に辿りつく。夢に熊の妖精が現れ、結婚したいと言う。三日後狩人は死ぬが、五色の翼の妖精が現れ、男を乗せて天国へ行き、そこで待っていた熊の妖精と結婚し幸せに暮らす。
変身や両世界を行き来する存在の話はアイヌの昔話には珍しくない。
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